筋肉を回復させて痛みを改善するにはアセチルコリンの働き,作用が重要。
「長引く腰痛や肩、ヒザの慢性的な痛み」
「ジッとしてても痛みがある」
「関節を動かすだけで力を入れていないのに痛い」
「痛い」と言ってもいろいろな痛みがあります。
痛みって一体どういう事なのか?
なぜ痛くなって、
またそれがなぜ良くなるのか?
痛みに悩まされている方にとって
「痛みって一体何なんだろう」
って考える事って多いのではないでしょうか?
実はそういった痛みというものは
「アセチルコリン」という物質がカギを握っているのです。
アセチルコリン?なんだそりゃ?
小難しそうな話かも知れませんが
アセチルコリンと筋肉の関係は
知っておいて損はないと思います。
- ・痛みはなぜ起こるのか
- ・アセチルコリンと筋肉
- ・痛みを解消させるには
ぜひ一緒にこれらの知識を頭の中に入れて
今後のカラダメンテナンスに活かしていきましょう。
[もくじ]
そもそも「痛み」ってなんだ?
主に人間を悩ませる症状の
腰痛や肩凝り、ヒザの痛み。
整体院に来院される方に一番多い症状であり、
悩みも尽きない症状であります。
誰でも一度は経験があると思います。
僕もよく「どうして痛くなるの?」と聞かれますが
簡単に言ってしまうと
筋肉が硬くなって機能が低下しているから。
この一言に尽きます。
肩やヒザといった関節の痛みの場合、
関節に痛みが感じているのに
どうして筋肉がその原因になっているのか
とても不思議な気持ちになりますよね。
その痛みの影響は
「ほぼ筋肉のしわざ」
と言っても過言ではないのです。
では
なぜ痛みが筋肉のしわざだと言えるのか
解説していきますが、
それにはまず
「痛みの種類」から見ていった方が分かりやすいのです。
痛みには大きく3つの種類があります。
- 慢性の痛み(立ってたり座ってたり動かす時も痛い)
- 代謝性の痛み(力を入れていないのに関節を動かすだけでも痛い)
- 炎症性の痛み(ジッとしてても痛い)
これらはそれぞれ違いがあります。
一つ一つその違いを見ていきましょう。
⑴ 慢性の痛み
立ってる時、
座っている時、など
主に筋肉を使ってカラダを支えていて
動かす時も痛みがある状態です。
「筋肉を使わない時に痛みが出ない」
というのが特徴でもあります。
この症状は
筋肉が硬くなり、
ちゃんと使われていない状態
なので痛みが出ているのです。
ちゃんと使われていないと言うことは
血流が悪くなって
筋肉の中でカルシウムの取り込みが阻害されています。
そうなると
筋肉が弛緩(しかん:ゆるむこと)できなくなるので
エネルギー不足でずっと収縮して緊張したまま
になってしまうのです。
(このエネルギーは酸素を会して作られます)
そうなると
血中のタンパク質から合成される
ブラジキニンと言う疼痛(とうつう)物質が
痛みの知覚を促してしまいます。
本来はこの痛み、
血管の圧迫や血流障害な状況を伝える大事なサインなのです。
しかし
この物質の排泄が滞ると
慢性的な痛みをもたらすのです。
筋肉の中での血行不良が起こると
弱アルカリ性であるべき体液のpHが
局地的に酸性に傾きます。
そうすると
pHを正しく調整する為に
筋肉の収縮に欠かせないカルシウムが浪費されるので
筋肉の機能が大幅に低下して痛みが続くことになるのです。
そして
そういう悪くなっているところは
冷たく冷えてしまっています。
血液は
栄養や酸素を運ぶだけではなく
体温を一定に保つ役割も担っています。
血流が滞っている部分は
熱も伝わりにくくなるので
体温が下がって冷たく感じるようになるのです。
これがさらに悪循環を生んでしまっているのです。
「筋肉が足りてない」
「体重が増えてしまったから」
と、よくお話しされる方が多いのですが
そういう影響はほんのわずかでしかないと思います。
筋肉がしっかり働いていない状態が
こういった慢性的な痛みを引き起こしているのです。
⑵ 代謝性の痛み
「力を入れていないのにただ関節を動かすだけでも痛い」
こういった痛みの場合、
動かしただけで痛みが出るので
「骨や軟骨がおかしくなったんじゃないか」
と思われることが多いです。
でもこれ、
関節の動くスピードに
筋肉や筋肉の先端にある腱がついていけてない時に
出現することがほとんどなのです。
パソコンのキーボードを1日中打っていたり
縫い物をずっとしていたり
フライパンをずっと振っていたり。。。
そんな日常生活の仕事や家事で
同じような動きを繰り返すことで
筋肉や腱に負担がかかります。
またスポーツにおいても
野球のバットスイング、ゴルフスイング、バレーボールのスパイク、
サッカーのシュート、テニスや卓球のスマッシュなどといった
筋肉・腱に過度な負担がかかってしまうぐらい関節を動かすと、
筋肉や腱の働きが低下して、
関節の動きに追い付いていけなくなります。
そうすると
本来なら筋肉や腱が関節を守る働きをするのですが
脳や中枢神経が筋肉や腱だけでは
「大事な関節を守れない」
と判断し、
関節内に「滑液」と言う関節の動きを滑らかにする液を
大量に分泌することになるのです。
この滑液が過剰に出てしまうと
周囲にあふれて痛みを引き起こしてしまうのです。
この症状のわかりやすい代表例は
腱鞘炎(けんしょうえん)です。
こういった代謝性の痛みは
仕事や家事の動作から来ているものが
ほとんどの原因として多くなっています。
少し痛みがあると言っても
ついつい無理をしてしまうことになってしまいます。
症状が出た段階で早めにケアをすればいいのですが
いつか良くなるだろうと
我慢しながらさらに繰り返してしまうと
症状を悪化させてしまうというような例は多いのです。
⑶ 炎症性の痛み
炎症性の痛みは
主に打撲(だぼく)、捻挫(ねんざ)、肉離れなど
カラダの外からの衝撃などを受けた際にでる痛みです。
「ジッとしていても痛い」
という状況で、いわゆる「ケガ」の状態です。
損傷した組織の細胞を取り除く為に
マクロファージという白血球の一種の免疫細胞が出ます。
このマクロファージが壊れた組織を食べてくれるのです。
食べてくれてる時に
マクロファージは炎症物質を置いていくのです。
「損傷」して炎症状態なので痛みは当然出ます。
筋肉の硬さなどは関係なさそうに思いますが
この状態を早期回復させる為には
やはり筋肉が重要になるのです。
この炎症性の痛みを早く取り除くには
「毛細血管」がとっても重要なのです。
毛細血管は
細胞に栄養や酸素を運び、
二酸化炭素や老廃物を静脈に流す働きをしています。
なので、
免疫(マクロファージ)が出した炎症物質も
毛細血管が取りこんで流さなければいけません。
そうすることにより
炎症性の痛みは治まっていくのです。
そのためには
そこにある筋肉が硬くなっていると
血液の流れが悪くなってしまうので
回復が遅れてしまうのです。
捻挫や打撲で衝撃を受けると
その周りやその部位を支配している筋肉は
そこを守ろうとしてなのか
ギュッと硬く緊張してしまいます。
その筋肉の硬さを
もとの柔軟性に戻す事が重要になって来ます。
痛みを改善させる方法
痛みの種類が3つあるという事で解説しましたが
次は痛みを解消させるための方法をお伝えしていきます。
まずは「慢性の痛み」についてですが
これは上記で筋肉の働きが悪くなっているせいだと言いました。
これをもう少し詳しく見ていく事にします。
ご存知のように
筋肉は勝手に動くわけではありません。
筋肉を動かす時って
脳などの中枢神経からの命令によって働いています。
神経伝達システムを介しているのですが
使えなくなっている筋肉は
この神経伝達にズレが生じているのです。
使い過ぎなどで固まり、働きが悪い筋肉は
それでも身体を支えたり関節を動かしたりしなければいけません。
神経伝達は
元気で使える筋肉にだけに司令を出すようになります。
これは
「疲弊した筋肉を休ませるため」でもあるのですが
今度は元気に使えてた筋肉が疲労してしまいます。
そうすると
神経の命令伝達にズレが生じてくるわけです。
疲労して休んでいた筋肉に命令が伝わらなかったり
使える状態にない疲労困憊な筋肉に過剰に命令が下されたり…。
それでは正常な筋肉の働きができなくなって来ます。
このズレが固定化されると
身体を支えるだけでも痛みを感じたり
動かす時にも痛みを生じたりしてしまうのです。
筋力が弱いせいではないのです。
筋肉が正常に働いていないから
痛みが出現してしまうのです。
神経の伝達がズレてしまっているので
トレーニングやストレッチを頑張って行なっても
症状が改善されないことが多くなってしまうのです。
だから
慢性の痛みは
筋肉に伝わる神経のズレを改善しなければいけません。
これは自分の治癒力だけでは
なかなか改善するのは難しい状態です。
そして次に
「代謝性の痛み」は
筋肉や腱が
関節の動きに追いつかなくなり
滑液が過剰に分泌されている事が原因なので
筋肉や腱が
関節の動きについていけるようにする必要があります。
安静にしていれば
滑液は自然とそこから排出されるので
痛みはある程度改善しますが、
筋肉・腱の働きが改善していない状態だと
痛みが再発して起きることも多くあります。
そして
「炎症性の痛み」ですが
本来備わっている身体の治癒力で
炎症性の痛みは時間をかけて改善はしていきます。
ですが
炎症が治まり、痛みが改善したとしても
筋肉の働きが悪いままという状態は結構残ります。
そうなると
筋肉の動きが良くないので
ケガ以降に違和感があったり
ケガがクセになってしまってたり
他の部位に負荷が集中してしまったり
という状況になりやすいのです。
これをしっかりと改善するためには
上記で少し述べたように
毛細血管の滞りを早期に回復してあげなければいけません。
そのために
まわりの悪い状態になった筋肉を
正常に働くようにしなければいけないのです。
慢性の痛み。
代謝性の痛み。
炎症性の痛み。
この3つに共通することは
「筋肉を正常に働くようにすること」
筋肉の状態を
悪い状態から良い状態にすることで
痛みの改善を行うことができるのです。
そして
筋肉の状態を良くするためには
「アセチルコリン」が大きなカギを握っているのです。
アセチルコリン 筋肉への働き
アセチルコリンは神経伝達物質です。
運動神経の刺激を
末端の筋肉に伝達する役目を担っていて
筋肉を収縮させる働きを持っています。
そして
筋肉は運動神経の興奮が収まると
弛緩(しかん:ゆるまること)しなくてはいけません。
しかし
酸素を介して作ったエネルギーがないと
筋肉は元の長さに弛緩しなくなります。
まずここまでで分かることは
筋肉が縮んだり弛緩するには
アセチルコリンと酸素が必要ってことです。
しかし
ココで筋肉が疲労して状態が悪いと
運動神経の興奮が収まらなかったりして
アセチルコリンの分泌が
低下したり過剰になったりしてしまうのです。
そうなると余計に筋肉が悪い状態になり
収縮が持続する事になってしまうのです。
筋肉の内圧が高くなり
周辺の血管を圧迫させ
さらに血流を制限させて酸素不足を起こします。
酸素がないと
緩めるためのエネルギーが不足するので
筋肉は緊張状態から解放することができなくなるのです。
酸素不足が深刻になると
疼痛物質がまわりの細胞から分泌されて
痛みを感じるようになります。
アセチルコリンの分泌低下は
筋肉の正常な働きの低下に繋がることになるのです。
異常に反応して
アセチルコリンが過剰に分泌される場合、
筋肉はずっと緊張状態になってしまうのです。
アセチルコリンが
状況に適してバランスよく
分泌される状態にしてあげなければいけないのです。
アセチルコリンは
筋肉の収縮・弛緩に関与しているだけではなく
身体の中では色々な作用を持っています。
副交感神経を刺激したり
血管や脈拍に影響を及ぼします。
さらには
記憶、認知、学習機能への働き、
睡眠にも影響することが分かっています。
アセチルコリンが過剰に分泌され続けて
カラダの中のアセチルコリンが不足すると
個人差はありますが
内臓機能が低下して
腸内環境が悪化したり
体温低下し血圧も安定しなくなります。
筋肉や関節の痛みが起こりやすく
眠りが浅くなってストレスが抜けにくくなります。
集中力、記憶力、学習能力の低下や
運動機能も落ちやすくなります。
アセチルコリンは
こういった大事な役割を担っているので
細かいことまで覚える必要はないですが
知識として頭の中に入れておくと良いと思います。
筋肉を正常に働かせるために
これまで
痛みの発生の仕組みや
アセチルコリンの働きを見ていくと
どこでも共通に大事になってくるのが
筋肉の状態を良くすること。
になってきます。
コレに尽きます。
筋肉が正常に働けなくなると様々な症状が出てきます。
多くの整骨院や整体院の施術所では
やり方は様々ですが
結局はみんな
この筋肉を良くする方法を行っているのです。
直接筋肉の緊張を緩める方法や
身体の歪みを矯正して筋肉を良い状態に導く方法、
神経系にアプローチして筋肉に作用させる方法など
様々なやり方で
筋肉を良い状態に持っていこうとしているのです。
一度固まってしまい、
機能が低下した筋肉は
その異常な緊張状態や
固定化された神経伝達のズレを
脳が覚えてしまっているものなのです。
だから
休息や睡眠だけでは
低下した筋肉の代謝キャパシティが
なかなか回復しないのです。
筋肉の代謝キャパシティというのは
神経と筋の接合部の数や
どれだけの数の神経が支配できているのか、
の事です。
この数が小さいと
細かくて精密な動きはできますが
疲労しやすいという特徴があります。
例を挙げると
手や眼球、舌などです。
逆に数が大きい場合は
大まかな動きですが力強い特徴になります。
太ももの筋肉やふくらはぎの腓腹筋などです。
この数が疲労すると
筋肉機能が低下する事になるのです。
繰り返しになりますが
休息や睡眠だけではなかなか回復しにくくなります。
痛みや不調、慢性的な不快を持っている人は
身体はその状態が「普通」というふうに認識してしまっているのです。
ある程度良い状態になっても
悪くなっている普通の状態に戻ろうとしてしまうのです。
だから
やはりカラダには
筋肉の良い状態を普通だと覚えさせる必要があるわけです。
色々な施術方法や治療法などありますが
その人に合うかどうか、
相性の問題もあるかも知れません。
その施術者の技術的な問題があるかも知れません。
その不調は精神的な部分が大きすぎるのかも知れません。
痛みからの脱却は
ニンゲンの永遠のテーマだと思います。
あの施術、手技はダメ!
この手技しか効かない!
などとネットを見れば
いろいろな事が書かれています。
しかし
正解の施術なんて無い
というのが本当のところではないでしょうか?
神の手と言われる先生のところに行ったけど
あんまり変わらないという声も聞きます。
しかし、
世の中には
お医者さんじゃないのに
ヒドかったギックリ腰を
一発で改善してくれる施術者だっているのです。
いろいろな施術があれど
でも結局は
筋肉を良い状態に持っていけるかがカギだと思うのです。
正解がないゆえに
自分に合った施術、手技の方法に出逢うのはムズカシイのかも知れません。
施術者は
「きっかけ」を与えてるに過ぎないのだとも思います。
うまくまとめられませんが
この記事の内容を理解できていれば
痛みの改善には大きく役立つのではないかと思いますし
そうなって欲しいと願っております。
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