野球肩の痛みとインナーマッスル(ローテーターカフ)の関係
野球肩になって
肩の痛みが出て投げられない…。
野球選手にとって
ボールを投げられないってのは
イチバン気分が落ちてしまうこと。
キャッチボールができないとなると
野球の基本の部分で楽しめないので
モチベーションもガタ落ちしてしまいます。
野球をやっていると常に隣り合わせの「野球肩」
肩を痛めてしまう選手が本当に多いです。
このブログでも
以前には野球肩の主な原因について書いています。
その記事はこちら→野球肩の原因は「肩甲骨」
肩甲骨はとっても重要なポイントですが
ローテーターカフと言われる「肩のインナーマッスル」も
とても大事な筋肉なのです。
今回はこのローテーターカフについて解説していきます。
[もくじ]
野球肩とローテーターカフ。
ローテーターカフとは
「回旋筋腱板」とも呼ばれる
肩関節のインナーマッスルのこと。
インナーマッスルとは
主なウェイトトレーニングで鍛えられる表層の筋肉ではなくて
奥の深層にある小さな筋肉のことを言います。
肩関節の場合は
・肩甲下筋(けんこうかきん)
・棘上筋(きょくじょうきん)
・棘下筋(きょくかきん)
・小円筋(しょうえんきん)
の4つの筋肉のことを言います。
このローテーターカフが注目され始めたのは1990年代のはじめ。
野球の選手(ピッチャー)が
肩の補強に鍛え始めたのがきっかけです。
肩を内旋するとパワーが大きくなる。
野球や他の競技でも
「投げる」という動作は、
肩を内旋させる動きとなっています。
内旋は字の如く、内側にひねる動き。
投球をスローで見てみたり
投げた後の手の動きを写真で見ると
手のひらが外側に向くほど腕がひねられています。
ボールが指から離れた瞬間、
手のひらが外を向いています。
スライダーやカーブという変化球を投げる時にも
指はこの動きとは逆の使い方をしますが
このボールを投げる時も
「投げ終わった瞬間」は内側にひねられているのです。
この動きはテニスにも見られるものです。
じつは
内側に強く鋭くひねると
パワーがボールに伝わりやすいのです。
肩の筋肉というのは
内旋での動きで
とても強いチカラが発揮されるようにできているのです。
内旋の動作は
上腕骨の前方についている大胸筋の強いチカラで行なわれます。
そして広背筋という大きなパワーを出させる筋肉も
背中からはじまって上腕骨の前方についているので
こういった大きな筋肉を利用して内旋動作が行なわれて
強いパワフルなパフォーマンスができるのです。
内旋筋と外旋筋
内旋は前述したように
いろいろな筋肉が共同して
大きなチカラを生み出します。
でもニンゲンの筋肉というのは
その動きに対して拮抗する筋肉が存在していて
チカラが一方的に行き過ぎないようにストップをかける筋肉
も働いています。
内旋の動作が行なわれると
それにブレーキをかける外旋筋という筋肉があります。
内旋動作が強くなり過ぎると
当然、その外旋筋にものすごく負担がかかってくるのです。
その結果、
外旋筋を痛めてしまうということにつながります。
外旋筋を痛めると
外旋筋を痛めてしまうと
いろいろな動作の際に
肩関節の中心の位置を保てなくなること
が起きてしまいます。
投球動作においては
本来の肩関節の正しいポジションのまま投げられなく
ズレていってしまっているのです。
それがさらに症状を悪化させて
炎症もヒドくなってしまうのです。
内旋を強く行なってしまうスポーツでは
外旋筋を強くしなければいけないという考えで
ローテーターカフという
肩のインナーマッスルを鍛えることが発案されていったのです。
外旋筋のトレーニング
外旋筋を痛めることがすべての野球肩の症状ではありませんが
ここを損傷してしまうケースがかなり多いのです。
小円筋、棘上筋、棘下筋、肩甲下筋
といったインナーマッスルは
外からは見ることも触ることもムズカシイのですが
ここを鍛えることはとても重要です。
ローテーターカフに意識を持っていくのは
難しくなかなかできませんが
これらを鍛えるトレーニングで効果的なのは
ゴムチューブを引っ張って行なうトレーニングがあります。
これはピンポイントで鍛えることができます。
よく野球選手が行っているシーンをよく見ます。
ヒジを脇につけた状態でゴムチューブを引っ張って
外旋の動きをするメニューです。
(アウターカフローテーション)
最近では当然のように
このゴムチューブのトレーニングは行なわれていますが
インナーマッスルのトレーニングで
本当は「予防」することがイチバン良いのです。
痛めてからでは
良くなるまでに時間がかかってしまうのです。
肩甲骨まわりの筋肉の柔軟性とともに
このローテーターカフを鍛えることで
野球肩の改善と予防になります。
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