ぎっくり腰のメカニズムと早く治す方法を詳しく解説
この記事をご覧になっている方は
現在ぎっくり腰になってしまっている方か、
過去にぎっくり腰になってしまった方、
家族やお知り合いがぎっくり腰になってしまい、
ぎっくり腰について調べられている方だと思います。
一度でもぎっくり腰になって
経験ある方はよく分かりますが、
その痛みはかなりハンパなく強いもの。
時には
全く身動きがとれない状態になってしまうことが多いです。
腰を痛めてしまうと
身体の動きがかなり制限されてしまいます。
時には
周りのお世話を受ける事になりますので
「迷惑をかけたくない」という想いから
早くこの痛みから解放されたいという気持ちが強くなります。
分かります、ぎっくり腰のツラさ。
僕も何度もぎっくり腰は経験済みです。
ひどい時は、
咳をする度に
腰がギクッ!ピキッ!ってなってました。
痛みが強いし
ちゃんと動けないし
何をするにしてもツラすぎるぎっくり腰ですが
実は、
実際に腰に起こっている事は
大したことが起きて無い
という事。
ほとんどのぎっくり腰の状態は
そんなに大したことじゃないのです。
腰で起こっている事は
筋肉が切れたり、
骨に何かが起こっているのではなく、
それほど重大な状況に陥っていない
と言えます。
でも、
めちゃくちゃ痛いから
「そんなわけないでしょ」と言われそうです。
ごく稀に
他の病気が絡んでいたりというケースもありますが
そうじゃないぎっくり腰であれば
筋肉が切れたり、
骨がおかしくなっている事なんて起きていません。
実際に科学的には
ぎっくり腰のメカニズムは解明されてはいません。
骨と骨の間の椎間板に傷が入っている状態
などと言っている人も見かけますが
そういうことは起きていないと思うのです。
だから
ギックリ腰になっても
ちょっとしたキッカケですぐに動けるようにもなるし
大したことではないと分かっていれば
痛みの強さもみるみる弱くなっていきます。
そんなぎっくり腰について
詳しく解説していこうと思います。
ぎっくり腰に対する想いは強いので
この記事は文字数が多くとても長いです。
お時間見つけて読んでくださると嬉しいです。
[もくじ]
ぎっくり腰という症状
ぎっくり腰は
「急に痛みが襲ってくる腰痛」
というふうに世間一般的には言われていますが
「急」ではなく
「ゆっくり」
と痛みがヒドくなっていくケースもあります。
「急性腰痛症」「突発性腰椎捻挫」とも言いますが
だんだんと痛みが強くなっていく時もあります。
ピキッと動けなくなるものと
だんだん動けなくなってくるものがあります。
「魔女の一撃」とも言われたりしました。
(最近聞かないけど今でも言われてる?)
ぎっくり腰は病名ではありません。
ぎっくり腰のほとんどは
ある動作をした時のキッカケで起こっています。
- 重いものを持ち上げた
- 身体をねじった
- 急に身体を動かした
- ちょっと動かしただけ
- くしゃみや咳をした時
などなど、
いろいろな事がきっかけでぎっくり腰になってしまいます。
その腰の痛みで
- 立てない、起き上がるのが困難
- 歩けない、腰を伸ばせない
- 腰を曲げられない
- くしゃみ・咳が激痛
などなど…。
なかなかつらい症状が出てしまいます。
「ギックリ腰」をネットで調べると
最近の検索結果は
お医者さんのサイトばかりが最初の方に表示されているので
「しばらく安静にする事」が多く掲載されています。
だいたいは
1週間から2週間程度で自然に回復してくる
と書いてありますが
確かに何もしなくても痛みは引いていきます。
そのかわり、
良くなるまでにすごく時間がかかってしまいます。
デモ、忙しい現代人は
そうは言ってられないのが現実。
もっと早く良くなる方法があるのです。
現在、ギックリ腰の方は
その早く良くなる方法がいち早く知りたいはず。
でもなぜギックリ腰が起こり、
どんな状態なのか知っておくと
さらに改善するスピードは速くなると思います。
ぜひ知っておいてください。
ぎっくり腰は
どんな状態なのか?
さて、激しい痛みのギックリ腰。
一体腰で何が起こっているのか?
普段から腰痛がある人でも、ない人でも起こります。
腰痛に関しては
整形外科などの医学では
そのメカニズムはまだはっきりと解明されていません。
もちろんぎっくり腰も解明されていません。
が。
解明されていない理由は、
「筋肉を診ていないから」だと言えます。
ギックリ腰になって
整形外科に行ってレントゲンを撮っても
ほとんどの場合で「骨に異常は無い」という診断が下ります。
もし椎間板ヘルニアなどの異常があったら
そこではヘルニアが原因とされます。
レントゲンやMRIで
骨にヘルニアや狭窄症と言った症状が出ていても
それはギックリ腰の原因にはならないのです。
先ほど述べた
ギックリ腰になる「キッカケ」はいろいろとありますが
腰痛が引き起こる初期、最初は
関節の痛みが引き起こされるよりも、
まず腰椎(腰の骨)周辺の筋肉が働きすぎる傾向になっています。
身体が元々柔らかい人でも
これは微小なりとも引き起こされています。
腰部の筋肉が
ずーっとつっぱっている状態が続けば、
腰に鈍痛を感じるようになります。
さらにそれが続くと
腰は正常な動きができずに
腰の関節に負担がかかることになります。
これが
筋筋膜性腰痛や腰椎椎間関節症による痛みの発症過程。
そしてこの筋肉のつっぱりが
一瞬にして強いストレスが加わると
『魔女の一撃』と呼ばれるぎっくり腰になります。
強いストレスが加わると
筋スパズムと言って
筋攣縮(きんれんしゅく)、筋痙攣(きんけいれん)と言った
「筋肉がつる」ということが引き起こされます。
ギックリ腰では
この筋スパズムが強く起こっている状態なのです。
痛みを強く感じてしまっているので
さらにその痛みで筋緊張が亢進(こうしん)してしまうのです。
簡単に言ってしまえば
筋肉がガッチガチに固まっている状態なのです。
そうです、筋肉が固まっているだけ。
強く痙攣している場合もあると思います。
でも
固まっているだけなのに
なぜそんなに痛いのか?
どうして動けなくなるぐらいになってしまうのか?
そんな疑問を抱いてしまいます。
骨に何か起こっているんじゃないか、
とか
筋(スジ)が切れちゃってるとか、
激しいことが起きているようにイメージしがちですが
実際に起こっていることは
筋肉が強く突っ張ってしまっている状態。
これがギックリ腰の時に起こっている事なのです。
なぜこんなに痛いのか?
ギックリ腰の時の状態は
筋肉に強い筋攣縮が起きている事をお伝えしましたが
なぜにそんなに動けなくなる程痛いのか?
それは
脳が暴走してしまっているから。
分かりやすく言えば
脳がパニックを起こしてしまっているのです。
例えば
外傷や傷を負うケガをした時は
身体を動かすとケガの範囲が広がって
出血が増えたりします。
だから「動くな!」という命令が脳から出ます。
ギックリ腰以外でも
強い痛みを感じると身体にギューっと力が入るのは
身体を守るためのメカニズムなのです。
身体の防衛反射とも言います。
身体に力が入るということは
筋肉が緊張するということです。
筋肉の緊張が高ぶると
筋肉や筋肉を包む筋膜に無理な力が加わって
痛みはさらに増加してしまいます。
そしてさらに
ギックリ腰になった「驚き」や「不安」、
「恐怖」、「焦り」などの感情が暴走してしまうのです。
これが脳のパニックです。
必要以上の激痛を、脳が感じてしまっているのです。
「脳のエラー」とも言っていいのかも知れません。
脳がつくり出す痛みには限界がないのです。
だから
ギックリ腰は
筋肉が強く固まって(痙攣:つっている)いるだけなのに
こんなにも強く痛みを感じてしまってるのです。
ギックリ腰の原因
ギックリ腰で起こっていること。
なぜそんなに痛いのか。
を解説しましたが、
ギックリ腰がなぜ起こるのかを理解しなければ
腰の状態を改善するスピードは全然違ってきます。
また、2度と起こってほしくないギックリ腰を
予防することができません。
次は「なぜギックリ腰になるのか」
そのメカニズムを解説していきます。
最初の方にも少し書きましたが
急に痛みに襲われる事がほとんどですが
ゆっくりじわじわとギックリ腰になっていくケースもあります。
腰周辺の筋肉が徐々に固まってきていて
それが何かのきっかけで一気にストレスが加わると
ギックリ腰になってしまいます。
これはすでに解説してあります。
そこで
なぜ腰周辺の筋肉が突っ張って固くなってしまっているのか
が大事になってくる重要ポイントです。
これが起こる根底には
ある筋肉の筋力低下があるのです。
筋力低下と言っても
年齢的なものでは無いのです。
若い人でも筋力低下は引き起こされています。
筋肉が衰えていると捉えがちですが
筋肉自体が細々とやせ細っているだけ、ではなくて
「筋肉にスイッチが入っていない状態」
と言ってもいいと思います。
その筋肉はちゃんと役割を担ってなく、
言わば、サボってしまっている状態。
そんな状態だと
他の腰の筋肉がその役割を負担しなくちゃいけなくなるのです。
本来であれば
腰はそんな負担を背負わなくてもいいはずなのに…。
一部の筋肉がサボって、
一部の筋肉にしわ寄せが来ているのです。
ではそのある筋肉とはどの筋肉なのか?
それは
腸腰筋(大腰筋・腸骨筋)
と
多裂筋・腹横筋
です。
腸腰筋(ちょうようきん)は
腰椎(背骨の腰あたり)と骨盤を繋いでいる筋肉です。
大腰筋と腸骨筋の事を言います。
多裂筋(たれつきん)は
腰の最も奥にあって、腰の安定に関わる筋肉。
腰椎の前側には腸腰筋、
後ろ側には多裂筋がついていて
この2つがバランスよく働かないと腰が安定しません。
さらには
腰からお腹をぐるっと取り巻いている腹横筋が
コルセットのように腰の安定性を作っています。
そして
これらの筋肉が働いていないことで
股関節が不安定となり、
腰椎や仙腸関節周りの筋肉に大きな負荷がかかってしまい、
固く拘縮しているのです。
特に
お尻の筋肉(臀筋:でんきん)が固くなってしまうと
上半身を支えられなくなり、
腰の筋肉だけで上体を支えることになってしまっているのです。
腸腰筋などの股関節を安定させる筋肉が働いて
初めてこの臀筋がしっかりと働いてくれるようになるのです。
そして
あるきっかけ(強いストレス)が一気にかかると
さらに強く筋スパズムを起こしてしまうのです。
よく
腰椎ヘルニアとか
脊柱管狭窄症が腰痛の原因と言われたりしますが、
ヘルニアの場合は
椎間板の髄核が飛び出したり、
脊柱管狭窄症だと
椎体部に骨棘(骨にとげ)ができたりしますが
これらは
「腰椎を支えている筋が仕事をしていないから」
引き起こされるのです。
しっかりと働けば
腰椎部にメカニカルなストレスがかからず
骨や椎間板の変形を防ぐことができるのです。
ヘルニアも出ないし、トゲもできないのです。
ヘルニアなのに痛くない人もいるし、
手術しなくても筋肉をしっかりと調整することで
その痛みは改善されていきます。
なので
ヘルニアや狭窄症が「原因」ではないのです。
それらは筋肉が引き起こした「結果」なのです。
なぜ筋肉が働かなくなるのか?
では
腸腰筋や多裂筋、腹横筋が
なぜ衰えてサボってしまうようになるのか?
それは
普段の姿勢や身体の使い方に寄るところが大きいのです。
日常生活や運動で筋肉を使う際に
クセのある姿勢、動きや、偏った身体の使い方で
使われる筋肉が決まってくるのです。
その逆で、
全然使っていない筋肉も当然出てきます。
また
精神性の由来から
筋肉の拘縮を強く起こさせる事も考えられます。
精神的にストレスがかかっている時、
不安や精神が安定していない時は
肉体には必ず何かしら出てくるものです。
それがどんな症状で出てくるのかは様々ですが
ギックリ腰になる時もそういった精神性から
筋肉の緊張が強くなって
脳がパニックを起こしやすくなって
強い痛みとして認識してしまうのです。
「今の現状から逃げ出したい」
というサインから
ぎっくり腰になって動けない状況を自ら生み出しているのです。
ぎっくりになる事で逃げられる手段という脳の判断なのかも知れません。
そして
内臓の不調から
筋緊張が強くなってしまうケースもあります。
内臓体性反射と言って
特に胃腸の疲れがあると
左背部の筋緊張が強く現れます。
左の背中によく出てきますが
ゼッタイにそうとは限らず、
腰から背中の筋肉の拘縮は強くなります。
そういう状況に陥ってしまうと
しっかりと筋肉が使えない状態となり
先述したように腰への負担が大きくなってしまうのです。
面白いデータがあって
(正確に計ったわけではないのですが)
ぎっくり腰が一番多いのは
やはり寒い冬がナンバーワンなのですが
次に多いのは以外に「夏」なのです。
ナゼ夏にぎっくり腰が多くなるのかというと
気温が高く暑いので
冷たい飲み物、食べ物の摂取が多くなります。
そうすると
胃腸が冷やされてしまい、
胃腸の機能低下が起こります。
そこから腰の痛みに繋がってくるケースが多いのです。
また、
エアコンで意外と身体が冷え切ってしまっているのもあります。
こういったことから
内臓経由でぎっくり腰に繋がる事も忘れてはいけません。
まずは
普段の姿勢や動きから腰に負担がかかっている事と
精神的な由来、
そして
内臓からの由来。
未だ完全に解明されてはいませんが
これらが大事な筋肉を使えなくしてしまい、
ぎっくり腰になり、
強い痛みを引き起こしている原因だと考えます。
ぎっくり腰になるメカニズムは
いろいろなことが絡まり合って引き起こされているんですね。
ぎっくり腰を早く治す方法
厄介なぎっくり腰を早く改善させたい。
何しろ腰をやっちゃうと
身体の動きが全然取れなくなってしまいますから。
筋肉が固まっているだけっていう
メカニズムは分かったけど
じゃ、どうやったら早く良くなるのか?
・安静にしない
何度もぎっくり腰を経験している人は
すでに経験済みだと思いますが、
身体を出来るだけ動かすこと。
これがやっぱりいちばん早く改善してきます。
安静にしているとダメなのです。
安静にしていると
筋肉がさらに固まってしまうのです。
筋肉は大部分が「動かす」ようにできています。
いろいろな筋肉が共同して関節を動かして
的確な姿勢を作り、たくさんの動きができるようにしてくれています。
安静にすることは
筋肉に仕事をさせていない状態です。
筋肉の中にも血管が通っていますが
筋肉は特に動かすことで血液の流れを作り出しています。
筋肉を使わないと
新鮮な酸素や栄養が入って来ないし
老廃物や古くなった物質を排出できなくなるのです。
そんな状態では
過緊張を起こしている筋肉に、早い回復は見込めません。
朝、起きた時、身体が固まっているのは
体温の低下もありますが
身体を動かしていないからです。
ランニング時でも
走り始めは足が痛かったのに
走っていくうちに良くなっていくのは
筋肉を動かしているからです。
筋肉を使って身体を動かした方が
緊張の強くなった筋肉は緩んでくれるのです。
でも、ぎっくり腰で痛いのに
無理して動く必要はありません。
痛くない範囲で出来るだけ頑張って動かしましょう。
案外「結構動かせるな」ってのが
実感できてくると思います。
・深呼吸をする
ぎっくり腰では
その痛みで身体中に力が入り、全身カッチカチになっています。
そして、呼吸も浅くなってしまい、
特に「ゆっくり吐く呼吸」をしていません。
呼吸は自律神経に唯一アプローチできます。
自律神経が乱れて交感神経がガンガンに働いていると
身体は興奮しっぱなし。
よって筋肉にも非常に力が入りやすい状態なのです。
身体が緊張しているので
必要以上に筋肉も固くなってしまうのです。
また深呼吸をして腹式呼吸になると
横隔膜に動きが出てきます。
コノ横隔膜は意外と大事な役割を担っています。
横隔膜がしっかり働くと
腰や股関節にいい刺激が入り、
筋肉が緩みやすくなります。
また、
呼吸補助筋である肩甲挙筋や斜角筋という筋肉の負担も減ります。
そして
ゆっくりしっかりと吐く時に
緊張した筋肉は緩んでくれます。
先ほども述べましたが
痛い時っていうのは「吐く」ことがしっかりできていません。
意識的にしっかりと吐くことでも
筋肉はちゃんと緩んでくれます。
一見、関係無さそうに思える呼吸ですが
なかなか侮れないものなのです。
・痛みから意識を離す
痛みがあると
脳はそこに一気に意識を集中させます。
その集中した意識はさらに筋緊張を高めてしまいます。
無意識にチカラが入っている状態です。
痛いから仕方ないと言えばそれまでですが、
今まで述べてきた通り、
脳のエラーも起きてるし、
腰は痛いけど大したことにはなっていない、
と考えれば少し気が楽になります。
思わせぶりでも良いのです。(ほんとの事ですが)
それだけでも不思議と筋緊張が少し解けてきます。
そしてさらに
腰から意識を遠ざけるために
何かに集中できれば良いです。
何か面白い映像を観て笑うのは
すごく気が紛れます。
鎮痛剤が手放せないリウマチ患者に
おもしろい落語を1時間聞いてもらい
大笑いしただけで全員の痛みが軽くなって、
ある人はそれから3週間も鎮痛剤がいらなかった
という事例も報告されています。
笑うことで脳内ホルモンのエンドルフィンが分泌されます。
この物質は幸福感をもたらして
モルヒネの数倍の鎮静作用で痛みを軽減します。
ぎっくり腰の事を忘れて
大笑いできれば改善も早いです。
痛みの感じ方が弱くなれば
身体を動かすチャンスも拡大です。
・固く緊張している筋肉に触れる
あまり意識を持って行き過ぎるのは良くないと書きましたが
意外と手を当てるだけでも筋肉って緩んでくれるのです。
驚くほど緩みはしないのですが
そっと手を当てるだけでも
不思議と筋緊張がほぐれます。
揉んでみたくなる時もありますが
ここでは大切な物を扱うように大事に触れてあげます。
手の温もりが感じられれば
身体も心も何だか安心して落ち着いてくれます。
信頼のある人に触れてもらうのも良いと思います。
無駄なチカラがスッと抜けていくのを
感じられるようになると良いです。
小さい頃に良く言われたと思いますが
お腹が痛い時に「痛いの痛いの飛んで行け」と
あの感覚と同じです。
心理的な作用も筋肉にはとても有効です。
・筋肉を柔らかくする
筋肉を柔らかくする事ができれば
改善はものすごく早いです。
というか、これは僕たち施術家の仕事でもあります。
ほとんどの施術家は
筋肉をゆるめる事によって痛みの改善に導いています。
腰の痛い部分はもちろん、
関連筋と言って、お尻の筋肉や背中の筋肉、
太ももや腸腰筋などの筋肉の緊張も必ず起きています。
手や足をゆるめて腰を良くする施術もあります。
施術自体は本当にいろいろな方法がありますが
そのほとんどは筋肉をゆるめる事に終始していると思います。
脳へのアプローチの施術方法も(こちらでは行っておりませんが)
結局は過緊張を起こしている筋肉をゆるめるものです。
過去のブログでも書きましたが
逆に筋肉にグッとチカラを入れてゆるめる方法もありますが
チカラを入れて腰が痛くなる場合は
無理にそれをする必要はないです。
あとで解説がありますが
ストレッチは腰周りは避けた方が良いです。
やるのであれば
手や足といった遠いところです。
腰を直接伸ばすのは
かえって痛くなることが多いので注意してください。
YouTubeでは
ぎっくり腰に関しての動画がめちゃくちゃ出てきます。
もうどれをやったら良いのか分からない状態になると思います。
でもどれでも良いかなとは思います。
大体はどこかを動かして
背中であったり骨盤、股関節であったり
太ももや手首、足首などもありますが
どれも筋肉の緊張を取っていくものなので
良さそうな物をチョイスして実行してみましょう。
意外と動かせるな、
という意識もできるとなお良いと思います。
全部YouTubeを観て
ここで良いものを紹介していのですが
全部確認するには膨大な時間がかかりますので
これは良い動画!というのがあればここに掲載したいと思います。
ぎっくり腰でやらなくてもいいこと
腰の緊張が強く起きているぎっくり腰は
痛くて何もしたくないと思います。
でもなんとか早く良くなりたい気持ちが強いのですが
その時にやはりやらなくていい事はあります。
それらを以下でちょっとご紹介します。
⒈ストレッチ(しなくていい事)
ストレッチは筋肉をゆるめる代表的なアプローチ方法だと
世間では言われていると思いますが
僕たち施術家でストレッチを取り入れているのは少ないと思います。
ストレッチが決して悪い訳ではないのですが
特に急性期や痛みの強い時は
伸ばすストレッチはおすすめしません。
痛い腰を伸ばす事は避けてください。
その理由は
強い筋緊張が起きている場合、
ちょっと筋肉を伸ばすだけでも無理がかかる事になります。
縮こまっている筋繊維を無理に引っ張る事になるので
余計に緊張が強くなることが多いです。
腰はもちろんですが
背中や太もも、股関節も
痛みがひどい場合はかなりの筋緊張を起こしているので
足首や手首以外のストレッチは避けましょう。
痛みがなくなり、
予防としてストレッチをする事はいいのですが
痛みの強いぎっくり腰の時はおすすめできません。
ストレッチで治療するって聞かないと思いますが
伸ばして治るのであれば簡単で済みます。
筋肉は単純なようで実は深いものです。
ストレッチだけでは
「使える筋肉」にはならないのです。
⒉レントゲンやMRI検査
こちらのブログでご紹介していますが
ぎっくり腰で
整形外科でレントゲンやMRI検査をされるパターンは非常に多いです。
しかし、骨に異常はなく
「骨に異常はありません」
「安静にして様子をみましょう」
と言われる事がほとんどだと思います。
少しヘルニアがあったり分離症だったりと
骨に変形が見られてたら、
整形外科ではそれがぎっくり腰の原因となります。
それは原因ではないのですが
お医者さんにそう言われるとそうなんだと思い、
身体を動かすのが億劫になってしまいます。
そう言われた方は安心してください。
それは腰痛の原因ではありません。
骨の異常は
「結果」にすぎません。
引き起こしているのは「筋肉」なのです。
レントゲンでは筋肉が映りません。
なので筋肉が診察結果に出てこないのです。
しかしながら、
何日も痛みが引かない場合や
どうもおかしい様子の腰痛であれば
病院を受診した方がいい場合もあります。
重い病気で腰痛が引き起こされている場合も
ありますのでそれは例外です。
⒊ただ安静にしていること
何度も言いますが
身体を動かさないと筋肉の緊張が取れません。
急性の痛みの初期で
どうやっても動かせない場合でも
少しずつ手首や足首から動かしていきましょう。
安静でいい事はあまりありません。
痛くて動きたくない気持ちもよーくわかります。
でも動かした方が
圧倒的に良くなるスピードは早いです。
理由は
筋肉を動かして血流を促進させる事と
動けるという脳への意識です。
大丈夫、動かせるという刺激が脳へ行けば
身体の異常な過緊張をゆるめられます。
アクティブになると元気になるのと同じで
カラダも動かして痛みの感覚を鈍くさせましょう。
鈍くなれば
さらに身体を動かすチャンス到来です。
ぎっくり腰はクセになる?
ぎっくり腰になれば
もうこんな経験はしたくないって
誰もが思います。
でもまた繰り返してしまう人が多いのも事実。
それはなぜ繰り返されるのかと言うと
結局は同じ生活習慣が繰り返されているからです。
「ぎっくり腰はクセになる」とも聞きますが
痛みが良くなっても同じカラダの使い方を繰り返していれば
腰にかかる負担も変わらないのも当然です。
使えていない筋肉をサボらせ続け、
同じ筋肉ばかりを働かせて使っていれば
同じことの繰り返しが起きているのは
容易に想像がつくと思います。
冷たいものや刺激物なども
相変わらず食べ続けたりして
胃腸に負担をかけ続けるのも同じです。
ストレスがかかっている生活を
また同じように繰り返していれば
腰じゃなくてもどこかに負担はかかっています。
そういった生活習慣を変えても
ぎっくり腰が続けて起きているのであれば
それはクセになっていると言えると思います。
でもそうじゃないはずです。
負担のかかる生活習慣を変えれば
何かしらの変化は起きてきます。
一時的な腰痛は起きるかもしれませんが
一番負担がかかっている事は何かを理解して
生活習慣を変えなければいけません。
どうしても変えられない事もあるかと思いますが
そういう時は
使えていない筋肉を使えるようにする事が
何よりもおすすめす。
サボり筋を働かせれば
働きすぎな筋肉の負担が減ります。
そうすると
動きが変わります。
動きが変われば
同じことの繰り返しではなくなるのです。
つらいぎっくり腰に
また襲われないようにしなくてはいけません。
ぎっくり腰の予防方法
ぎっくり腰にならないためには
何度も言っていることですが
腰にかかっている負担を取り除く事が一番です。
まずは精神的なストレスなどの事は置いておいて
カラダの事での
ぎっくり腰の予防方法をお伝えします。
カラダでは
使えていない筋肉を働かせるエクササイズ
と
硬くなると腰にかかる筋肉を柔らかくする方法
この二つを予防方法としておすすめしています。
サボり筋エクササイズ
ぎっくり腰や腰痛の原因は
主に股関節にある事が多いのです。
股関節を支えている筋肉がサボっていると
腰周辺の筋肉にものすごい負担がかかります。
腰周辺の筋肉を
直接ゆるめるのも大切ですが
このサボり筋を働かせるようにすると
腰周辺の筋肉の負担が減って
過緊張が解けていきます。
頑張りを休ませる事ができるのです。
その股関節を守っている筋肉は
腸腰筋と腹横筋(多裂筋も含む)です。
この3つの筋肉がしっかり働くと
腰の安定性が強くなります。
股関節もしっかりと動くようになるのです。
腰痛が起きている人は
この3つの筋肉が弱くなっています。
ここにエクササイズで刺激を入れて
腰の負担を無くしていきます。
どれかばっかりをするのではなく、
3つバランスよく刺激を入れていくのが大事です。
⒈腸腰筋
(※画像拝借:関節トレーニング ビジュアル版)
腸腰筋のエクササイズは
まずは画像のように座って足の裏をくっつけます。
この時に足の形が正方形ぐらいになるようにします。
そして
背中を丸めないで胸をかかとに近づけるように
足の付け根にチカラを入れます。
顔を下に向けやすいですが
まっすぐ前を向いて行ないます。
⒉腹横筋(多裂筋含む)
(※画像拝借:関節トレーニング ビジュアル版)
画像のように椅子を使ってもいいですし
壁に手をつけて行ないます。
片方の骨盤を引き上げるエクササイズです。
あげる方の足の膝は曲げずに
やや後ろに引いてから骨盤を持ち上げます。
この時、あげる方の足の爪先を、
反対の足のかかとあたりに来るようにします。
掌を外に向ける事で
脇腹にある腹横筋をしっかりと刺激できます。
このエクササイズを10秒3セット行ないます。
できるだけチカラを入れて行ないます。
動画でも解説してあります。↓
腰痛がある場合、
ぎっくり腰を繰り返している場合は
これらの筋肉が弱くなっている事がほとんどです。
だいたいはこの筋肉のうち、
どれかがすごく弱くなってバランスも崩しているのですが
しっかりと働いてくれるように
エクササイズでしっかりと刺激を入れてあげましょう。
このエクササイズの動きは
筋肉を「促通」させる働きがあって
筋肉にスイッチを入れてあげる事が可能なのです。
他の筋肉の収縮を阻んで
狙った筋肉だけにチカラを入れて収縮させる事で
脳からの指令もたくさんその筋肉に入ります。
重たいものを持ってから
その後に軽いものを持った時に
モノスゴク軽く感じますが
まさにそれと同じで
筋力が活性化されるのです。
それによってストレス負荷の多い筋肉の
緊張が緩んで不快感、痛みが変化するのです。
筋肉が硬い事が痛みを引き起こしていますが
ナゼ筋肉が硬くなるのかと言うと
弱くなった筋肉があるからなのです。
筋肉をゆるめるのもすごく有効ですが
根本的な筋力低下を
これらのエクササイズで補う事はすごく大事です。
しっかりとその筋肉を意識させて
エクササイズできるようになりましょう。
まとめ
ココまでぎっくり腰について
たくさん書いてきました。
簡単にまとめると
・ぎっくり腰は実は大した事ではない。
・精神的な面の影響は大きい。
・安静にしていては治りも遅くなる。
・ほとんどが筋肉の問題。
・弱った筋肉がいるから硬くなる筋肉が出てくる。
といったところです。
痛みが強いぎっくり腰は
大ごとにはなっていないので
まずは落ち着いてゆっくり呼吸からはじめます。
特に吐く方をしっかりと。
筋肉を動かして
サボっている筋肉に刺激を入れて
過緊張の筋肉をリラックスさせてあげます。
(参考文献:関節トレーニング ビジュアル版)
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