睡眠で疲れが取れる理由。なぜ眠りは疲労回復の特効薬?
眠りを制する者は、疲労を制することができる。
寝ないと生きていけないニンゲン。
睡眠は必要不可欠な行動ですが
なぜ眠ることで疲れが取れるのでしょうか?
今回は睡眠と疲労についてのテーマで。
[もくじ]
睡眠で疲れが取れるワケ。
ご存知のとおり、
眠りには「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」があります。
レム睡眠は浅い眠りで
眠っている間に瞼(まぶた)の奥で目玉がキョロキョロ動いています。
睡眠全体の20%はこのレム睡眠。
ノンレム睡眠は眼球運動を伴わないレム睡眠以外の眠りのこと。
残りの80%がノンレム睡眠というわけです。
このふたつの睡眠で人間のカラダはどうなっているのかと言うと
レム睡眠は
脳をメンテナンスしながらカラダを休める。
ノンレム睡眠は
カラダをメンテナンスしながら脳を休める。
ということになります。
もうちょっと詳しく見ていきましょう。
レム睡眠で起こっていること。
レム睡眠では脳の一部が活発に活動しています。
日中に脳内に取り込んだデータから不要なものを削除していて
記憶と学習を強化しています。
情報の大半は目から入るので
レム睡眠では記憶と学習のプロセスで
視覚情報を追体験するように目玉がぐるぐる動くのです。
その脳が情報処理に追われる間に
放置された筋肉(骨格筋)は緩んで休息モードに入ります。
脳から命令が下される筋肉への指令がなくなる時間なのです。
この間にエネルギー源の
グリコーゲンや脂肪のチャージが進んで肉体的疲労が軽減するのです。
ノンレム睡眠で起こっていること。
深い眠りのノンレム睡眠では
生存に不可欠な呼吸や心拍などを管理している脳幹を除いて
脳のスイッチが「オフ」になっています。
これによって大脳が休息している状態。
最初の深い眠りで
脳の下垂体(かすいたい)が成長ホルモンを分泌します。
筋肉のみならず
カラダはタンパク質のかたまり。
成長ホルモンは細胞へのタンパク質の取り込みを促してくれ
新陳代謝を活性化してくれるのです。
これで全身のメンテナンスが行なえるということなのです。
睡眠の中盤に分泌のピークを迎える「プロラクチン」は
免疫と関わってて
睡眠の後半に高まってくるホルモン「コルチゾール」は
心拍数や血圧を上げる作用があって
起床に向けて着々と準備が整っていくわけなのです。
うまくできていますね、ホント、人間のカラダって。
睡眠が疲労解消の特効薬というのが
こういうシステムを知るとよく分かります。
快眠のコツ
忙しいとどこでもいつでも眠れるのですが
それは慢性的に睡眠不足に陥っていることなのです。
疲れをちゃんと取るには
まとまった睡眠時間が必要なのです。
疲れが溜まりストレスも抜けなくなると
逆に眠りにつきにくくなってしまいます。
快眠で疲れをスッキリさせてもらえるように
カラダに備わっている体内時計をちゃんと利用することが大切です。
人間は本来、明るい日中に活動して
日が沈んで暗くなったらカラダを休める昼行性動物(ちゅうこうせい)。
1日のリズムに従って
覚醒(かくせい)と睡眠を
ちゃんとスイッチ切り替えをしていくのです。
朝起きて太陽の光を浴びて
体内時計に1日のスタートを認識させて
24時間の時計を刻まさせます。
その影響で日中に活動的になる神経伝達物質などを分泌させます。
そして夕方になってくると
眠りを促すr-アミノ酪酸(らくさん):GABAを分泌させるのです。
そういった体内時計のリズムに合わせてカラダもちゃんと反応するので
それにそった活動が、よりもっと快眠にできるようになるのです。
これまで体内時計は25時間と言われていましたが
最近の精密測定によると「24時間10分」程度なのだそう。
また、お昼の仮眠も脳のために大事なこと。
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